空谷に吼える

ブロックチェーン/DLTまわりのなにかしらを書いていく所存

Hyperledger ComposerがDeprecatedのステータスに

ちょっと用があってHyperledger Composerのgithubを見に行ったら2019/8/29付でComposerはdeprecated(非推奨)になったよというお知らせが出ていました。

github.com

Hyperledger Composerはプロトタイピングなどの際にFabric(など)を容易に使い始められるようにネットワーク構築とスマートコントラクト(Chaincode)開発をセットで抽象化して提供してくれるフレームワークです。主にIBMによって開発されていたところ、2018/8/30に以下のお知らせで、IBMはFabric本体に注力するためComposerの開発からは手を引きますと発表されていました。

Composer TSC update

このお知らせ以降もComposer自体はプロジェクトのステータスは変わっていなかったんですが、ちょうど1年くらいで今回のdeprecatedへのステータス変更の運びとなったようです。この間、特に積極的にはアナウンスされなかったので、知らずに新たにComposerを使い始めてしまうひとたちもちらほら見かけていました。ちょっと遅くなった感はありますが、きちんとdeprecatedに変更されたのは良いことだと受け止めています。

最近は公式ドキュメントやブログなどの情報、周辺ツールやクラウドテンプレート、Blockchain as a Serviceなどの発展によって、Composerを使わなくてもFabricのネットワーク構築やChaincode開発がComposer登場当時よりも遥かに容易にできるようになってきていますので、特にネガティブな影響もないかな、と思います。

2019/9/2時点ではHyperledger.org内の以下のComposerの紹介ページには特に変わりがないようですが、そのうちステータス変更が反映されるでしょう。→2019/9/4追記:今見たらこっちもdeprecatedになってました

www.hyperledger.org