Hyperledger Fabricのわりと進んでそうなユースケース4つ
"Hyperledger Fabric"っていちいち言うのも書くのも面倒だし"ファブリック"って発語すると"パブリック"と紛らわしいので"HLF"という略語を流行らせようとしてるんだおれは。流行れ!!!!!!!
もう使われはじめてるよ
「HLFって実際まだぜんぜん使われてなくない?実証実験だけでしょ?」的なことを聞かれることが多いのでとりあえず前回の記事でミッションクリティカルな金融サービスですでに本番利用されてるよ、ということを書いときました。
そんでHyperledgerの公式サイト見てたら以下の記事がありました。Hyperledgerで開発されているさまざまなプロダクトのユースケースが6つ紹介されています。 www.hyperledger.org
記事によればこれらは"are in production today"らしいですが、マジの商用本番利用が始まってるのかPreview/Beta的な扱いなのかはちょっとよくわからない。うち4つがHLFを利用している模様です、それらを以下に要約します。
食品のトレーサビリティ(IBM Food Trust)
- 食品サプライチェーンの可視化、説明可能性の向上による安全性と信頼性の向上が狙い
- Golden State Foods、McCormick and Co.、ネスレ、Tyson Foods、ウォルマートが参加
- 食品の原料生産地から小売店、さらには消費者に届くところまでがスコープ
- 個別の食品アイテムの完全な履歴、現在地、証明書、品質検査結果、温度などさまざまなデータを記録して共有
航空チケット利用情報共有(Chain-m)
- 航空会社とそのパートナー(チケット販売代理店)がターゲットユーザー
- チケットの売上データの共有による企業間の決済の信頼性の向上および迅速化、コスト削減が狙い
- チケット売上枚数、金額、コミッション、売掛/買掛、税額などを共有
- スマートコントラクトにより決済処理や矛盾データの解決を自動化
企業間事務処理効率化(JD Blockchain Open Platform)
- 中国ECサイト最大手のJD.com(京東商城)により同社のRetail as a Service戦略の一環として提供
- 小売業者をターゲットとするBaaS(Blockchain as a Service)
- ユーザーは商品のトラック&トレース、正規品証明、資産価値評価、取引の決済、デジタルコピーライト処理などをブロックチェーンを使って合理化することができる
保険業コンプライアンス(openIDL)
- アメリカの非営利の保険業界団体であるAmerican Association of Insurance Services(AAIS)により提供
- ターゲットは保険業者とその監督機関(regulators)
- 保険業者に義務付けられているコンプライアンスについての監督機関への報告の合理化が狙い
- 保険業者はブロックチェーン上に報告に十分なデータ(履歴および現在のデータ)を書き込んでおき、監督機関は監査目的に必要なデータだけにアクセスが許可される
その他
↓にHyperledgerベースのユースケースあるいはプロダクトのリストが公開されています。Project Maturityを"In Production"にすると商用利用されてるプロジェクト、プロダクトが見つかります。 www.hyperledger.org
でもこれあんまりメンテされてなさそう、ググったほうが早いか